メゾチント

Mezzotint

金属凹版の直刻法の一種。「中間(メゾ)の調子(チント)」を出せるというのがその名の由来で、ヨーロッパで写真技術のない頃、肖像版画や細密版画で用いれられ人気があったが、写真の発達とともに忘れら去られた技法で、銅版画家の長谷川潔がこの技法を復活させた。

ロッカーという櫛のような刃がついた器具で版全体に無数の刻みを入れたり、ささくれ状態の線をつくったりする。さらにその上をバーニッシャーやスクレーパーという金属のヘラのような器具でささくれを削ったりならしたりして絵を描き、刷る際にはインクを細かな刻みに擦り込んだ後に、刻みのない部分からは拭い落とす。これにより、刻みが残っている部分はインクの色が濃く現れ、刻みが削られたりならされたりした部分は白く浮き出るという効果が得られる。
微妙な明暗の加減を楽しむことが出来るとされる。

siegen hasegawa
最初のメゾチントとして知られている
Ludwig von Siegenの作品、1642年
Kiyoshi Hasegawa (1891-1980)
SITE PROVENCAL (GRASSE) (CATALOGUE RAISONNE 182) Mezzotint, 1925
   

 

 



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