Gravure [ 仏 ] , engraving [ 英 ] エングレービング(engraving)とは直刻法の凹版技法のひとつで、ビュランという断面が正方形か菱形の刃をもつ固い刃のついたノミのような彫刻刀を使い、銅版に線を彫る。そして、その溝にインクを埋め、それを刷って作品にする版画技術。鮮明な線が特徴とされる。ヨーロッパ中世において、武具などの金属に彫刻し、刻線に黒い絵の具を刷り込んで彫刻を目立たせることが良く行われ、ニエロ細工という金工術が盛んであった。これにヒントを得て、1460年ごろイタリア、フローレンスの金属細工師フィニゲラ(Finiguera, Maso)は彫刻凹版印刷の技法を考案した。エッチングより成立は早い。ビュランで版材を完全に刻り取ってしまうので、ドライポイントのようなまくれもエッチングのような腐蝕による線のくずれもない、冷たく硬質な線が最大の特徴。単純な技法ではあるが、抵抗の大きいビュランを自在に操り、髪の毛の数分の一の線からあらゆる太さの線までを彫刻するには相当の熟練を必要とする。「エングレーヴィング」とは正に「彫刻する」意。15世紀前半には、最初のエングレーヴィング版画が登場している。彫刻に用いる刀の名をとって「ビュラン」と呼ぶことも多いが、その場合は同じくビュランを用いる木口木版もその中に含めて考えることができる。 ただ単に金属やガラスを削ること、あるいはその作品を意味することもある。ビュラン彫り。 印刷におけるエングレービング(engraving)とは、銅版を写真製版やグレーバーで彫刻し、インキをつめて紙に転写する印刷技法で、熟練した高度な技術が必要とされる。細かい線や文字などの再現性がよく、最高級印刷の分類に属する。世界のVIPや王室などに利用され、企業でも信頼の証として使用されている。最近では偽造防止の観点からも注目を浴びる。よって、高級ブランドのタッグなど用途は様々である。また、印字部分が盛り上がるのも特徴。最近は銅版印刷により高級グリーティングカードなどに使用されている。
“Anunciacion” 1420-1468
The Eagle of St. John, 1460-90 Engraving on paper 87 mm (diameter/sheet)
Ecce homo Engraving 28.7*45.3 cm, 1510
メランコリアⅠ,1514 Copperplate engraving 25 x 19 cm
Quis evadet? 212 x 153 mm, 1594
SINE CERERE ET BACCHO FRIGET VENUS burin and etching,228 x 200mm, 1560
Madonna of Humility,1490 27.7x23.1cm Burin, first state
La technique de gravure. 1751-1772年 百科全書