羅針盤、火薬とともに「ルネサンス三大発明」の一つにあげられる印刷術である活版印刷術がドイツのグーテンベルクによって発明された。(1445年頃)この技術は、15世紀末までにヨーロッパ各地に伝わり、主要な都市で活版印刷術による印刷が始まった。 その15世紀中頃から世紀末までの約50年間に印刷された刊本は、特にインキュナブラ(Incunabula)と呼ばれている。インキュナブラという言葉は、ラテン語で「揺藍(ゆりかご)」を意味していたが、転じて「物の発達のはじめ」という意味で15世紀の印刷術を表現し、やがて15世紀刊本自体を意味する名詞として使用された。書誌学上、1501年以降に印刷されたものと区別されている。この発明は、書物の制作を従来の写本よりも迅速・安価にし、新しい知識や思想の普及に大きな役割をはたすこととなる。